山陰まんなか観光局

ココビトの綴り
山陰まんなかアンバサダーが綴る 届けたいココへの思い
San`in Mannaka Tourism Bureau presents [COCOBITO no TSUDURI]
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想いを繋ぐ「大正屋醤油店」

昔ながらの杉桶で仕込むこだわりの醬油

お醤油に味噌、私たち日本人には欠かせず、家庭の味を作るとても身近な存在。

今回は地元の方が一押し!と教えてくれた安来市にある醬油・味噌専門店「大正屋醬油店」さんへ行ってみることに♪

先日お邪魔した月山とは反対側JR安来駅から20キロほどある母里(もり)という地域は、
母里藩という日本一小さな城下町があった自然豊かな場所です。
静かな山間を進んでいくと田植えが終わって清々しい田園の一角に大正屋醤油の醸造蔵がありました。

創業1926年(大正15年)の大正屋醬油店は、地元産の大豆にこだわり、現代では少なくなった古式製法と杉桶で時間をかけて醸造されています。

醸造蔵に併設されたショップにお邪魔してきました♪
明るい店内には自社製品がたくさん並んでいて、お醤油だけでなく、自社製品のドレッシングや甘酒…目移りしてしまいます。


特に気になったのは『 純米しょうゆ 』
その名の通り大豆や小麦を使わず造られたお醬油なんです。
お醤油の原料には大豆や麦のイメージしかなかったので、驚きました。

だってお米使わずに日本酒を造るって言われたら、「そんなことできるの?」って思いませんか?

令和3年には農林水産大臣賞も受賞したそうです。

『 純米しょうゆ 』ができるまで

このお米を原料とした「米しょうゆ」を元々造っていたのは岡山県の白菊酒造という酒蔵…酒蔵?
日本酒が絡むと途端にソワソワしてしまいますが…少し落ち着きます。
この純米しょうゆ、実は酒粕や米ぬかを使って造られているんです。

約10年前に 米だけで造られたしょうゆの存在を知った蔵人の山本さんは、商品の原点となった「米しょうゆ」と出会ったそうです。しかし時を同じくして30年続いた醸造元の酒蔵の米しょうゆは設備の老朽化などから製造を終了することになっていたそう。

この「米しょうゆ」を継承するにあたっては専門的技術はもちろん、設備投資も莫大なもので、特に高圧力をかける設備が一番高価なのだとか。ただ酒粕や米ぬかを醬油麹菌と仕込んで熟成させ、搾ればよいというものではなく、均一に高圧力をかけなければこの味が出ず、 醤油つくりを継承することを決意したあとも、技術や資金面での大きな壁に幾度も挫折しそうになりながら念願の「 純米しょうゆ 」が完成。
施設も通常の醸造施設とは離れたところに建てられ、アレルギーなどで大豆や小麦を摂取できない方も安心に、家族にアレルギーがあって一緒に味付けできないといったご家庭でも使えるため喜ばれているそうです。

地元の恵みを最大限に活用

そして、酒蔵でピンときた方、そうなんです!
安来と言ったら銘酒「月山」!
この純米しょうゆは月山の精米過程で生じる酒粕と白ぬかが使われているんです。
酒粕や米ぬかを使うことで通常廃棄されたり飼料になる量が減り、環境面への配慮にも繋がる商品。


帰って早速味見をしてみました♪

酒粕を使うということでお酒の香りがするのかな?と思いましたが、香りはお醤油そのもの。
味は一般的な濃い口しょうゆと淡口しょうゆの中間といったところ。辛みが少ないので、おひたしや冷ややっこにかけても楽しめます。

通常のお醬油の代用というだけではない美味しさも追求した純米しょうゆ。
世界的にもマクロビオテックやグルテンフリーへの意識が高まっているので今後はもっと需要が高まっていく気がします。
小さいサイズもあるので手に取りやすいのもいいですね。

地元になくてはならない存在

お話をうかがっているあいだもショップには続々と商品を買いに立ち寄る人が。迷う様子もなくお目当ての商品をさっと手に取って買っていかれるのを見ると地元の常連さんだなとわかります。



「 しいたけ だし醤油」は二本買いしていくお客さまもいました。

煮物や炊き込みご飯、お吸い物にも使える万能だしです。


これからの季節、大活躍の金山寺みそ。

野菜だけではなく、焼おにぎりに塗ってみたり、実はパウンドケーキなんかに入れても美味しいんですよ♪

飲む点滴とも言われるほど栄養価の高い甘酒は〝昔ながらのあまざけ〟〝古代米あまざけ〟〝玄米あまざけ〟の3種類♡ 

酒蔵でなく、お醤油屋さんであまざけ?と思ったんですが、麹を使うのだから造っていても不思議ではないですね。大正屋醬油さんでは地元の神社などの祭事の際にお神酒や振る舞い酒として甘酒を造って欲しいという声があり、それ以来あまざけを造るようになったそうです。
パウチタイプは小分けで飲んだり料理にも使えるので便利ですね。

醤油アイスや古代米甘酒アイスも気になるところ♪

次にお邪魔した時にはアイス食べてみようと思います♡

大正屋醬油店
島根県安来市伯太町東母里225-2
平日・土曜日9:00~18:00
日曜日、年末年始、お盆、GW
0854-37-9061
http://www.taishoya.jp/
あり
※データ・写真など上記情報は記事作成時点のものです。
※臨時休業や営業時間の変更の可能性がありますので、お出かけの際は、最新情報はお店の公式HPや公式SNS、直接店舗にお電話ご確認ください。
※新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、施設へお出かけの際は、鳥取県・島根県や各自治体が発表する最新情報、要請などをご確認のうえ、手洗いやマスクの着用、人と人との距離の確保など基本的な感染防止対策(新しい旅のエチケット)を徹底していただくようお願いします。






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izumo_ne_san
izumo_ne_san
島根県在住/日本酒スペシャリスト・スイーツコンシェルジュ 20代でUターンし地酒の魅力にどっぷり浸かる。 古き良き田舎暮らしを満喫しながら、現在海辺の古民家をDIY中♪
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島根県在住/日本酒スペシャリスト・スイーツコンシェルジュ 20代でUターンし地酒の魅力にどっぷり浸かる。 古き良き田舎暮らしを満喫しながら、現在海辺の古民家をDIY中♪